講評 2025年11月
兼題「冬麗」「水鳥」
総評に代えて
〇「冬麗」には日の光や暖かさがすでに含まれていますので、句の中でもう一度言及する必要はありません。
〇「冬麗」を「ふゆうらら」と読ませていると思われる句で、あえて「や」を付けて「冬麗や(とうれいや)」と直した例があります。これは句の姿のよろしさに重点を置いた添削です。作者の方、もとの句と見比べてください。
〇ときどき、「嫁ぐ娘」という表現を目にします。「とつぐこ」と読ませたいのでしょう。嫁ぐのは(例外を除いて)娘ですので、「嫁ぐ子」でじゅうぶん伝わります。
〇「水鳥」にさらに「水」を重ねた句が目立ちました。あえて、もう一度水の字を入れたのか、あるいは単なる不注意なのか、ご投句の際に確認してください。
〇せっかく兼題が出されているのですから、できるだけその題を試してみましょう。他のかたがたがどんな句を詠んでいるのか参考になります。
〇「愛犬と散歩」といった表現をよく目にします。この「愛」、できるだけ避けましょう。いわずともわかりますので。愛犬・愛猫という言い方は句を幼くしてしまいます。(「愛車」という句もありました。)
〇この世は季語だらけです。ご投句の前に「もしかしたら」と一度立ち止まり、その言葉がすでに季語として認知されているかどうかを確かめてください。毎回、すさまじい数の別の季語が一句の中に含まれています。今回の例でいうと、冬麗+ヨット、冬麗+落葉、冬麗+干柿、水鳥+西日、水鳥+紅葉などなど、挙げているときりがありません。必ず、電子辞書でさっと確認してください。
2 俳号 和田正尚
水鳥の水を蹴り上げ夕空へ
5 俳号 松本敬香
冬うららペダル弾んで回り道
橋からの眺め良きこと浮寝鳥
6 氏名 星野 茂美
水鳥の群れなす飛翔想い馳せ
7 俳号 渡辺 葉月
水鳥に眩しきまでの国があり
☆金婚の月日尊し冬うらら
五十年の間には冬の嵐や大きな台風もあったことでしょう。この季語にたどり着くまでの紆余曲折をふと感じました。
10 俳号 やまやま
☆木を削れば仏現れ冬麗
上五をあえて字余りにしてより正確にすべく直してあります。
11 氏名 伊藤 美子
水鳥や光を放つ水しぶき
12 俳号 小宮美也子
愛犬と絆深める冬麗
13 氏名 斉藤 洋子
水鳥の憩う湖面に光満つ
14 氏名 小谷 治子
冬麗や蛸壺ころぶ勤番所
15 氏名 秋元 雅晴
水鳥や風にひとすじ波の音
16 氏名 中野 尋恵
ゆったりと時間流るる冬うらら
18 氏名 大野 寛
冬麗湖面に映える逆さ富士
19 氏名 林 吉春
冬麗熟睡してる子の片頬(かたほ)
20 氏名 苅谷 一宏
水鳥の去りて寂しき水面かな
22 氏名 小野 幸代
水鳥や色とりどりに化粧して
23 氏名 中濱 広子
水鳥や光の中で戯れる
学校のチャイム響いて冬麗
24 氏名 齊藤 健一
冬麗田中の道に迷い来て
25 氏名 比嘉 啓文
水鳥や暮れなずむ空声遠く
26 俳号 文月詩架
冬麗や母を見舞ひて空仰ぐ
冬麗や遠方からの客待ちて
28 氏名 財津 光明
冬麗や大村湾が凪ぎており
30 俳号 山城翔雲
水鳥が川辺のほとりたたずみぬ
32 俳号 瀬戸の風
水鳥の羽音に揺るる父の椅子
33 氏名 長松 素子
☆冬麗や姉妹の話尽きざりき
屋内でも屋外でもしゃべり続けるのが「姉妹」。男きょうだいとの違いを鮮やかに描きました。
34 俳号 百 博泉
飛行機のゆるりゆるりと水鳥よ
36 俳号 西村せつ子
ベランダに猫の背丸し冬麗
38 氏名 吉井 さえ子
冬麗やさざ波光る琴の海
39 俳号 金坂千位子
水鳥や人の住む家住まぬ家
冬麗や身を美しく年重ね
40 氏名 畑畠 美千代
水鳥のいっせいに飛ぶ賑わいよ
静かなり水鳥の群れ川にあり
41 氏名 北村 貞子
あれこれと寄せ植え楽し冬麗
幼子の指さすほうに水鳥来
42 氏名 岡村 典子
冬麗や窓辺の緑うすみどり
水鳥の水尾等辺に広がりぬ
43 俳号 杤尾まほ
冬麗バスを乗り継ぐ海岸線
☆冬うらら悪役憩ふ撮影所
大船や京都の太秦などでしょうか、斬られ役などの「悪役」は個室ではなく屋外で歓談しながらお茶を飲んだり一服したりするのでしょう。場所の設定が抜群の作品です。
水鳥のみどりの波にとどまらず
44 氏名 谷脇 照美
水鳥を追うて隠れ家見つけたり
46 俳号 高橋優
子育てはキャッチボールよ冬麗
48 俳号 塩田みどり
冬麗のはりまや橋やいと小し
水鳥のひとりぼつちの目をしたる
49 氏名 小田川 浩三
冬麗や道草の子ら声高し
50 俳号 稲川 優子
夕影の水鳥の脚細きかな
51 俳号 田中恵子
冬うらら湖東の寺をめぐり行く
52 俳号 輝輝
冬うらら空に一筋雲のあり
53 俳号 美紗
冬麗や父の後追う子らの声
54 氏名 疋田 ちづ子
水鳥や湖に一点雲白き
ハーモニーひとつに奏で冬うらら
55 俳号 二人静
冬麗駅のホームの待ち時間
56 氏名 小林 茂之
冬日和三年坂の狭き段
☆一つ家に二人の余生冬うらら
基本的にはいつも一緒にいるようでも、心の過ごし方はそれぞれ少しずつ違うのでしょう。時折交差しながら離れ、また交わる。そんな夫婦の歩みが見えてくるようで素敵な作品です。
だしぬけに水鳥一羽飛び立ちぬ
57 氏名 松川 しのぶ
冬麗やこぼれし光手に受けて
水鳥や潜りて尾羽空を突き
58 俳号 根岸さち
水鳥や夕日の落つる湖静か
59 俳号 小西博子
冬麗に花も笑顔になりにけり
61 俳号 三貴子
冬麗に開ける文箱涙のあと
62 俳号 野原
自転車の学生の声冬うらら
63 氏名 髙 理恵
冬うらら湖面に映る木々の影
65 氏名 細川 京子
兄弟犬の冥福祈り冬麗
66 氏名 山本 厚子
冬麗や石打つ鑿の響きたり
67 俳号 柴田康香
水鳥や仲間とともに渡り来て
69 俳号 水間水仙
木漏れ日に走者前向く冬麗
冬麗紅茶のカップ並びをり
70 氏名 小柳 美千代
影踏みて遊びし子らや冬麗
72 氏名 山﨑 三十子
水鳥の集いて眠る西湖かな
73 氏名 桑原 堆子
見上げれば牛久大仏冬うらら
74 氏名 木村 絢子
☆職人の竹削る音冬うらら
いっしんに仕事に励む「職人」たち。その手から生まれる製品を想像したくなる作品でした。
75 氏名 林 美智子
水鳥の何思うのか水脈の果て
76 俳号 浦崎まゆみ
水鳥や安らひの地に友きたり
77 氏名 青木 豊江
☆タグ付けてねむる赤子ら冬うらら
新生児室なのでしょう、それぞれ親の名を「タグ」に付けて眠っています。未来を感じさせる句です。
☆冬うらら後ろ釦に手のとどき
だんだん体がかたくなる年齢ともなると、こういったシーンは存外嬉しいもの。「まだまだいける!」と読者もつい応援したくなりますね。
宇治川の水鳥ひかる流れかな
78 俳号 安永篤人
水鳥の水面に残す足の跡
79 氏名 笠倉 まゆみ
療養に沁みる言葉や冬麗
80 俳号 髙田政子
冬麗陽射しの中の干しタオル
81 俳号 西野悦洞
冬麗や生命線を日に翳す
冬うらら手帳片手にまどろみて
83 氏名 吉田 鈴子
冬麗の空へ飛行機真っしぐら
水鳥のつかず離れず縦列に
84 氏名 小林 真寿美
水鳥や参詣人と戯れて
85 俳号 ひで女
水鳥の不意に飛び立つ川面かな
88 氏名 田邊 法子
冬うらら祈りて愛車手放しぬ
90 氏名 南 功治
水鳥の脇目も振らずついばみぬ
91 俳号 米崎 璃津子
ちゃん付けで呼ばれて呼んで冬麗
抱き上げて子の重さ知る冬麗
92 俳号 山﨑詩乃
水鳥や吹かれて黒き点となり
93 俳号 木本天祐
奥津城の澄める空気も冬麗
水鳥の一羽離れて遊びをり
94 氏名 澤邊 義典
浮寝鳥ゆれる水面よ我もまた
96 俳号 美奈子
冬麗や苦労重ねし母の指
97 俳号 啓子
パン袋見つけ水鳥飛び来たり
99 俳号 しづ子
冬麗や老人ふたり立話
100 氏名 小野 千早子
ぶらんこの僅かにゆれて冬麗
103 俳号 てる子
一列にすゞめ並びて冬うらら
106 俳号 椎木 雅子
水鳥や帰る子供の声高し
108 俳号 齋藤弘子
冬うらら猫の尾立てて走りゆき
110 俳号 ゆうだち
☆高原に自転車ふたつ冬麗
この句、「高原」がポイントです。平地なら当たり前だからです。自転車に乗る気になどなれない高原の冬、ついその気になったのは溢れる陽光のせいでしょう。
冬晴の聖堂バッハ鳴り始む
水鳥の秘めごとめきて集まれり
111 俳号 徳永恵楓
母の手の力強さよ冬うらら
112 氏名 横松 きよみ
予報士の声弾みおり冬うらら
114 俳号 鈴木美和子
公園の弁当の輪や冬うらら
115 氏名 原 恵美
海暮れて水鳥の声響きたる
116 俳号 案山子
☆堆肥場に湯気立ち上り冬うらら
よき土壌を約束してくれる「堆肥」。冬にしては暖かな日にゆっくり育ってゆくその「湯気」はまことに頼もしいですね。
117 俳号 聖子
冬うらら水琴窟に耳寄せて
118 俳号 伊藤京子
新聞を広げうたた寝冬うらら
☆納骨にはらから集ふ冬うらら
葬儀から少し日が経ち、ふたたび集まった「はらから」。寒風吹きすさぶ日ではないことに救われます。
120 俳号 長澤きよみ
冬麗や舞ふごと喜寿の太極拳
水鳥や虹色灯す観覧車
121 俳号 伊崎宏子
植木屋の鋏も光る冬うらら
122 俳号 古田 啓
冬麗の物干し竿が賑はひて
123 氏名 小谷松 直子
☆冬うらら出窓の猫は本物か
置物だと思っていた「猫」が急に動いてびっくりすることがあります。そんなよくありそうな一コマをよく切り取ってくださいました。
校章は変わらぬ母校冬麗
124 俳号 津島まあや
川沿いを走る視界に水鳥が
125 氏名 岡本 裕子
手を止めて天拝む母冬麗
127 俳号 末 博子
冬麗に近所の人も集まれり
128 氏名 千葉 明子
☆母の背に針打つ音や冬麗
語順をがらりと変えてみました。内容は全く同じです。もとの句と見比べてみてください。
水鳥の羽に遊びし風の音
129 氏名 菅野 純紘
冬麗や妻に委ねるわが理髪
枝の間に青空覗く冬うらら
131 氏名 星谷 絹代
冬麗やいつも遅れる市内バス
132 俳号 雅月
しどけない猫の寝姿冬うらら
133 氏名 穴繁 惠美子
水鳥と小亀寄りそふ水辺かな
134 俳号 おおもと文薫
水鳥の夕陽とともに何処へと
135 俳号 おふさ観音雨堤
水鳥の並んで進むめおとかな
136 俳号 加賀 靖彦
学び舎に通う子等の背冬麗
137 俳号 根笈知佐子
水鳥が二羽離れずに川を行く
冬うらら電車の中で頬杖す
138 俳号 大久保恭子
贈られし靴の軽きや冬麗
水鳥や銀の波間に見え隠れ
139 氏名 林 佐知代
冬麗や手つなぎ歩く老夫婦
140 俳号 小野公柄
水鳥や首のばすとて面静か
141 俳号 にっこり月子
水鳥の嘴ゆつくりと下ろしけり
亀の背に陽の当たりたる冬うらら
☆香水の空き瓶匂ふ冬うらら
「香水」は夏の季語ですが、この句ではすでに使用済みですからよいでしょう。愛用していたものの香りがほのかに伝わってきそうな、大人の句です。
142 氏名 矢橋 徳子
夫と見る古き桟橋冬うらら
☆折り紙の招待状や冬うらら
幼いお子さんたちからの「招待状」なのでしょうか。愛らしく、また、光のよく似合う内容だと思います。
144 氏名 浅川 美子
午後はこの家電と会話冬麗
146 俳号 浦嶋和子
冬麗や厳しき山も真珠色
147 俳号 高島實子
冬うらら虎のパレードゆるゆると
148 氏名 寺島 裕之
墓銘碑を探して独り冬麗
150 俳号 脇田弥生
水鳥の静かなる池瞑想す
151 氏名 駒木 典子
冬うらら脱走の亀甲羅干し
☆水鳥に手が届きさう沈下橋
これは実際に「沈下橋」を知っている人じゃないとわかりにくいかもしれません。あのユニークな橋を思い浮かべると「なるほど」と納得するかたが多いはず。
152 俳号 川端日出子
異国人より朝の挨拶冬麗
154 氏名 河崎 柳子
冬麗ボタンの取れしわが上着
冬麗や休工中のショベルカー
157 俳号 瀬古和子
母の縫ひし座布団並べ冬うらら
158 俳号 Tetsuko Terasawa (寺澤 哲子)
冬麗や不揃いの影少し揺れ
159 俳号 佐登華
冬麗や砂場にあひる発掘し
161 俳号 春うらら
冬麗や発熱外来椅子ひとつ
162 氏名 松本 啓子
冬麗や力が入る竹ぼうき
163 俳号 西山レモン
水鳥や鎮守の森が影作り
164 俳号 柳光 みかづき
冬麗や花苗並ぶ庭の先
165 俳号 縞錆
水鳥の空の底にて眠るかな
水鳥の流さるるのもひとまとめ
166 氏名 藤川 知之
水鳥は波紋も立てず日は暮れて
168 氏名 橋屋 茂美
冬麗や光あびたる三倉山
169 俳号 清水 明浩
水鳥の眩しき羽の並ぶ岸
170 俳号 長岡純子
☆四股名の青光る力士や冬麗
安青錦のことですね。名をさり気なく分解して単なる「ニュース俳句」から少し抜け出た感があります。
冬麗の空我がものと一機飛ぶ
172 氏名 檜山 八穗子
国境もなく水鳥の来たりけり
冬麗の馬頭観音閑かなり
173 俳号 西田佳代
冬うらら街には鈴が鳴り響き
175 氏名 植森 恵美子
水鳥の影を揺らして風すぎぬ
冬麗波間に鳥の遊ぶかな
176 氏名 吉田 裕子
水鳥や川瀬の岩に凛と立つ
177 俳号 佐藤嘉津雪
冬麗海輝いて安らけく
178 氏名 川原 厚子
水鳥も波を立てずに通学路
180 俳号 冨湖
冬うらら手提げ袋に眠る猫
☆非常食も結構いける冬うらら
最近の「非常食」はあんころ餅まであって、なかなかの出来です。ユーモアとともにちょっぴり苦さのある句ですね。
水鳥のつかずはなれず心字池
181 俳号 國井あき
テキサスのフィンチの声や冬麗
182 俳号 月佳
冬麗出窓に眠るねこ愛し
185 俳号 和久
水鳥や桜島の灰(へ)背負い飛ぶ
187 氏名 川上 忠志郎
冬麗ランナー達が数珠繋ぎ
188 俳号 えつこ
冬うららカフェの向こうは相模灘
190 氏名 岡本 清髙
南鉄のトロッコ列車冬麗
191 俳号 白尾恵子
水鳥の羽ばたく先に光あり
193 俳号 三和まこ
冬うらら水色の空どこまでも
194 俳号 矢羽田兎海
水鳥の冷たかろうと言う子あり
冬麗木立を縫って鳥遊ぶ
195 俳号 水島五月
冬うららアップルティーの香り吸ふ
冬麗や幾度も見る温度計
☆冬うらら床屋の猫の腹を見せ
いきものが「腹」を見せるのはよほど気が緩んでいるか、相手を信用しているとき。季語のおおらかさによく合っています。
196 氏名 伊木 秀明
水鳥の群れの中にて磨き合う
197 氏名 岡田 慎太郎
みづうみをゆく水鳥や一線に
冬麗や絶叫とよむ遊園地
☆冬うらら珠洲焼の椀買ひにけり
被災地支援といわずさらりと詠んだところがいい。光を浴びてその「椀」は輝いたことでしょう(「椀」よりも「碗」がいいでしょうか。珠洲「焼」ですから)。
200 俳号 兵頭光子
冬麗やまどろむ猫の影長く
水鳥やつがいのあとに波光る
201 俳号 桜井 伸
冬麗や投げつぱなしのフリスビー
冬うらら空へとけゆくホルンの音
☆浮寝鳥うしろに昏き湖(うみ)いだき
「昏き湖」が何ともお洒落。すぐれて絵画的な作品でした。
202 俳号 山本五之三
☆冬麗やエンジンを切りにぎりめし
仕事の合間でしょうか、ひととき訪れた光溢れる時間。さり気なくてよいと思われました。
水鳥や幼な名で呼ぶ友のゐて
水鳥もお国訛りがあるといふ
204 俳号 中村 千恵子
水鳥の羽あざやかに朝日浴び
206 俳号 志方早葉
影二つベンチに憩う冬うらら
207 氏名 久保田 弘子
洗濯物干す手軽やか冬うらら
水鳥や暫し大きな夕日あり
210 俳号 薩摩乃甘藷
冬麗ひかりに抱かれ目を閉じる
211 俳号 白房
冬うらら手帳の余白存分に
212 氏名 平田 和美
冬麗や友を誘ひて渚へと
冬麗海を見たくてペダル漕ぐ
213 俳号 富海善風
冬麗透き通る波打ち寄せて
214 俳号 木村虚見
☆冬麗やオープンカーの中高年
若いかたならそれほど面白くはならないのですが、「中高年」というところにくすりと笑える味わいがあります。
215 俳号 田奈神千尋
公園でねこを眺める冬麗
216 氏名 岡崎 早苗
朝靄に水鳥一羽浮かびくる
217 俳号 正原悦子
水鳥やくちばし埋め夢のなか
218 俳号 田中和敬
水鳥の仲間静かに整列す
220 氏名 木村 裕子
冬麗や白銀の坂滑りをり
水鳥の土手をよたよた歩きをる
221 俳号 紅花
冬うらら鳥居の上を雲流れ
☆冬うららゆるゆるとおす車椅子
押す人も押される人もなんだかゆったり。「ゆるゆると」に気持ちのゆとりが感じられます。
222 俳号 梓小雨
☆片方の靴下探す冬麗
これが寒さ厳しい季語なら、なんともわびしくなります。季語の明るさに救われました。
223 俳号 佳月
冬麗やのびゆく影のアスファルト
224 氏名 義久 福代
餌のひとつ持たぬ吾らに水鳥来
225 氏名 稲見 典久
池の面水鳥の跡広がりぬ
226 氏名 津森 鈴子
水鳥にしのびよりけり近づけず
228 俳号 カモミール
冬麗や山にくっきり雲の影
229 氏名 小牧 正人
☆明日香路のフレーム光り冬麗
「フレーム」(温室)もじつは冬の季語です。ただ、この句の場合、メインの季語がはっきりしているため、頂きました。
230 俳号 大樹佐保
水鳥の仲良く潜る薬師池
丹沢の嶺の端光り冬うらら
